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徒然草
静かに拭き取るあなたの手が朝を誘う
あと1時間もすればこの部屋を出て行く

あなたが出て行ったら少しだけ寝ようかな
お昼前には起きて
溜まった洗濯物を片付けなくちゃ

また靴下が片方迷子になってる
「洗濯物は洗濯機の中へ」
全然聞いてないのね

灰皿には吸い殻の山
箪笥の中は大惨事
ごみ箱は許容量を遥かに振り切ってる

流しの前には捨てられなかったテーブル
その上には壊れたままのデスクトップ
あの子との思い出が眠ってるから棄てられないのだろう

脱水終了の合図があたしを呼ぶ
洗い立ての服を籠に詰めて
徒歩1分のコインランドリーへ

乾燥機の扉を開けると
洗剤の匂いがあたしを包む
ピンッと伸ばして
ピシッと折り畳んで
ベッドの上に並べましょう

水回りの掃除は得意なの
昔バイトしてたから
あなたは気づくかな?
今日はピカピカのお風呂で癒されて

夕方
あなたへの手紙を残してドアを閉める
合鍵はポストの中へ

駅に向かうその途中
何度も後ろを振り返った

もう一度ここに来ることはあるのかな?

「これが最後」と思って目に焼き付けた帰り道
今でも小さな路地まで覚えているのはそのせいね

何度も振り返っていたせいで
本当の最後がいつだったのかを忘れてしまったよ

特別だったあたしたちの関係
当たり前だった二人の時間
だけどそれが日常になったときから
最後のときは近づいてたんだ

覚悟を決めてたつもりなのに
平凡な日常が愛おしくて
考えないようにすることで精一杯だった

もう少しだけ わがまま言えばよかった
もう少しだけ 甘えたかった

もう少しだけ

最後のときなど考えずに「今」を大切にすればよかった

あんなに幸せだったのに
「幸せ」と振り返ることをしなかった
出来なかった

もう二度と来ないあなたの部屋で迎える朝
洗濯物が溜まってないか気がかりです
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